有り余る承認欲求と自己否定感をぎゅっとしてブワッとするところ。

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今日の昼に会社近くの公園でお弁当を食べていたら、餌欲しさに向かってくるハトをやたら素早い動きで威嚇して遠ざけるおじさんがいた。
パンみたいなものをちぎっていたので、はじめは鳩に餌をやるおじさんだと思っていたんだけど、それはもう全力でハトに敵意を向けていた。前世でハトに恨みがあるんじゃないかというくらいだった。
ご飯を食べながら横目で様子を見ていると、鳩が目の前にいなくなった隙におじさんが小さくちぎったパンみたいなものを投げた。
パンの先にはスズメがいた。
ハト威嚇おじさんは、スズメラブおじさんだったのか。
まるまる肥えたハトではなく、か弱そうなスズメにパンみたいな何かを食べさせたかったんだな。
その後もスズメが来るたびにパンを投げるけど、スズメよりも速いハトが駆け寄ってくるとまた凄まじい勢いで威嚇した。スズメもびっくりして逃げる。
どうしてもハトに食べさせたくないんだろうな、わざわざ投げたパンを拾いに行くという徹底ぶりだった。
おじさんはベンチでスズメが寄ってくるのを静かに待っていた。
私は甘い卵焼きを食べた。ハトが寄ってくるけど、あげないよ。威嚇もしないけど。