有り余る承認欲求と自己否定感をぎゅっとしてブワッとするところ。

選ばされたくない

コーヒー豆と眉マスカラを買うために今日は寄り道をした。

コーヒー豆を買うのは好きだ。選ぶのも、財布を出すのも楽しい。
今日行った店は200g以上豆を購入するとコーヒーを1杯サービスしてくれる。
仕事帰りに豆を買いに行くのは疲れるけど、この1杯にちょっと救われる。
私は寄り道が苦手なのだ。

おいしいコーヒーを飲みながら少しボーッとしていたけど、周りの音や視覚情報の多さに結局疲れてしまった。
コーヒーは最高だったし、誰も悪くない。

ドラッグストアに寄って眉マスカラを探す。
買うものは決まっているのでさっさとレジに並べばいいのに、色々と見て回ってしまう。
このファンデーション使ってみたい、これ使えばニキビ良くなるかな、
なんて色々考えながら物色していたらやっぱり疲れ果ててしまった。
そんなことをしてるうちにレジに長い列ができていたのでそこで眉マスカラを買うことを諦めた。
なんだこれ、なんの時間だったんだよ。
ファンデーションは今使ってるので満足してるし私は肌が弱いから新しい化粧品はリスクがあるだろ本当になんの時間だったんだよ。
電車の中で何気なく触った額に新たなニキビを見つけた。

最近努力の甲斐あってか落ち着いてきたニキビ。
もうここまでして無理なら食生活改善しかない。
というかはじめからこれは食生活改善しないといけないと思ってはいたんだけど、できないから洗顔やらクレイパックやら頑張っていた。
結局全部食生活なんだよ、たぶん。

 

コーヒー豆を買う時って、当たり前だけどコーヒー豆しか選択肢がなく、豆の銘柄もせいぜい5種類程度だ。
もっと豆がたくさん置いている店はもちろんあるけど、豆で失敗したことはあまりないからそんなに悩まないし、悩んでもちょっと楽しい。
あと見た目が一緒なのがいい。
焙煎度合いなどで少し色が違ったりするくらいで、全部茶色の豆だ。
でも淹れてみるとそれぞれ香りが違うから楽しい。
私はコーヒーに詳しくないので、産地がどうとかは考えない。
だから私にとってコーヒー豆の販売されている様は情報量が少なくシンプルでいい。
好きが高じて情報に左右されすぎると趣味も辛くなったりする。

化粧品はとにかく煩い。
考えることが多すぎる。だいたい自分に合わないとゴミになるからリスクがある。
パッケージに惑わされる感じも好きになれない。
良さげな売り文句ばかり並んでいて頭がクラクラしてくる。
それでも私の中にはいくらかましな見た目になりたかったり、気に入ったパッケージのものを日常的に使いたい気持ちが月並みにあるのだ。
だから眉マスカラのために立ち寄ったはずのドラッグストアで、無駄に体力を消耗してしまう。
デパコスなんて高くて馬鹿馬鹿しいと思いながらも、デパコスを使う女になりたい欲求があるのだ、ずっと。

選択肢が多すぎる世の中はしんどい。
でも選択の余地がないのも良いとは言えないんだろう。
私はもう選択することに疲れました。

 

家の近くにある別のドラッグストアで、さっき買い損ねた眉マスカラといくつかお菓子をカゴに放り込み、やっと帰宅できた頃には動悸が激しく瀕死状態だった。
そんな状態からおにぎりせんべい一袋とカントリーマアム17個を勢いで平らげたため今凄まじく気分が悪い。
でも買ってきた豆で淹れたコーヒーは美味しかった。

今日の私はコーヒー豆を買えたから偉かった。
もう良いやそれで。